へっぽこ・ぽこぽこ書架

二次創作・駄っ作置き場。 ―妄想と暴走のおもむくままに―

艦これ駄文。

attempt

attempt 本文

とある企み。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
では、お世話になりました。
うん。次の任地がどこになるか分からないけど、元気でいて下さい。
はい。ありがとうございます。……あの……
ん?
……赤城さんにも、お世話になりましたと、お伝え下さい。
うん。伝えておきましょう。ゴメンね、赤城を旗艦にしたかったのだけど、彼女はあそこから動けないから。
分かっております。司令官不在時の重要なお役目を担っている方ですから。
ま、ね(……ホントは赤城で行き来すると燃料と資源が枯渇しかねないからだけど、それなら基地の食材を食べ尽くされる方が、いくらかマシって話なんだよねぇ……)
じゃカワチ提督、あとはよろしく。
了解。空母『加賀』、確かに引き継ぎました。
大事に、次の任地へお届けしますよ、ヒナセ提督。
……傷物にしないでよ?
相変わらず信用がないなぁ。……さ、加賀さん、参りましょうか。
はい。よろしくお願いします。
はい、こちらこそ……じゃ、ヒナセ。
あ……えっと、帰りはいつだったっけ?
予定では一週間後だね。できるだけ早く戻るよ。
はいはい。こっちも羽を伸ばしたいからゆっくりしてきていいよ。
まったく、君というヤツは……。そういうことなら『足柄』の最速で戻るよ。
(うんざりした顔で)ええー……好きにしろ。
◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
……ただいま……。
はい、おかえりなさい。すぐ出発しますか?
うん、そうして……さすがに疲れたよ。
あはは……じゃ、とっとと出航しますね。……工作艦『明石』抜錨! 両舷微速、舵中央。前進ー。
(ヒナセに)このまま湾外に出ます。
はいどうぞ。
テイトク-。茶ドウゾー。
ん……あ、ありがと(妖精からお茶を受け取る)
イエイエ、ドウイタシマシテー(すぅっと消える)
………(疲れた様子でお茶をすする)
◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
……速度そのまま。進路●●、ポイント884《ハチハチヨン》経由、
コースCにて基地に向かいます。
……任せます。
アイアイ・マム!
……ホントにお疲れですねぇ。
ま、ね。実際、艦たちを本部に引き渡すのは、疲れるよ。
引き渡した艦娘たちの行く末が心配なんでしょ?
……どうかな。
ヒナセさんの基地から出ていくということは、戦場に出て行くってことですもんね。
まぁそうだね。
……特にさ……。
はい。
加賀を連れて行く時は、毎回ドッと疲れるね。
そうですね。いつも帰りは顔が土気色になってます。修理した方がいいかなって思う程度にはね。
……気になるのは、加賀さんよりも、赤城さんの方でしょ?
………。
そんな顔、しないで下さい。
分かりますよ。何年あなたと一緒に仕事をしてたと思うんですか?
……そだね。確かにね。
提督の目にどう見えているか私には分かりかねますが、私の見立てでは赤城さん、以前よりもずっとずっと落ち着いていますよ。
それなら良いんだけど。
慣れてきたんじゃないんですかね。腹をくくったというか。
最初の『加賀』のときは、のめり込みすぎてましたし、分かれる時も大変でしたけど、さすがに……何人目でしたっけ? んーと……ああ、五人目だったかな?
……六人だよ。
あ、これは失礼。
でもま、二年弱の間に六人も入れ替わり立ち替わり……てわけでもなかったですけど、それでも次から次へと『加賀』が現れてはいなくなりを続けてりゃ、免疫もできるし、何よりも諦めたくなりますよね。
……それは勘弁して欲しいなぁ……
なんでです? そっちの方が都合は良いのでは?
都合はともかく、赤城が参ってしまうのは勘弁して欲しい
(かたをすくめて)……ヒナセさんが考えてるほど、艦娘はデリケートすぎないですよ。
……そう……。
ああもう、煮えきれないなぁ……(苦笑する)
……疲れたんで、もう寝ちゃいたい。
あれ? お食事は?
……いいよ。
あ、あとで電《デン》の分は持って来て。
アイアイ・マム。
電《いなづま》ちゃんは、提督のお部屋にいますから。
んー……(出て行く)
(見送って)……ありゃりゃ……あれじゃぁ、ヒナセさんの方が参っちゃいそうだなぁ。
(肩に乗った妖精に)そう思わない?
デスネェ。
……明石サマ、例ノ件、ソロソロ良イノデハ、ナイデスカ?
そぉね。……じゃ、あっちの明石にそう言いますか。
御意。デハ、ソノヨウニ、用意イタシマス。
うん、よろしく。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
おはようございます、提督。お食事、どうされますか?
んー……
食べて下さいな。
電ちゃんが心配しますし、戻って提督がやつれてたら、私が鳳翔さんに叱られます。
……胃が悪い。
そりゃ夕べ食べてないからですよ。
明石特製コンソメスープを用意してますんで、ゆっくり食べて下さいね。
んー……。
ところでですね、提督。
はい。
夕べはお疲れで早々にお休みになったし、急ぎじゃないんで報告を控えたんですが。
ん?
アサカ次長の指示で、そちらに特別支給する資材をたんまり積んでいます。
……へ?
ま、ご褒美ってヤツですね、いわゆる。
ああ……嬉しくないなぁ。
でも助かるでしょ?
まぁね。一航戦が二人もいると、いい具合に資材が消えていくからね。
その分の補給ってことで。
……じゃ、礼状を書かないと……。
いえいえ、受領書にサイン頂ければ大丈夫です。
じゃ、基地に着いてから。
はい。……じゃ、お食事して下さいな。
……免除してくんないのね。
もちろんですとも。
(肩をすくめる)
◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
……てことで、よろしくお願いします。
ま、アタシもそろそろかなって思ってたから、丁度良いタイミングなんだろうねぇ。
はい。ファーストがそう感じているなら、間違いないかと。
……その名前はNG。
そうでした。すみません(ペロッと舌を出してウインクする)
しっかし、さっすがというかなんというか、分かっちゃうのがすごいなぁって。
経験値かね。アタシだってはじめの頃は分かんなかったよ。
あれ、そうなんで?
もちろんさ。艦娘同士の共鳴なんざ、はじめの頃にはなかった現象さ。艦娘が大量建造されるようになってからだね。
今も理由は分からない。
違う鎮守府、違う提督の下で生まれた艦娘間でも起こる……もっとも、同じ提督の下で生まれた姉妹艦は共鳴しやすいってデータは確かにあるけれども、艦型・艦種が違ってても起こる場合もあるしね、一航戦二航戦なんかはその典型かな。戦艦と駆逐艦が共鳴してペアになってる例もあったね、そういや。
それ、艦政部はどの程度知ってるんで?
……さぁね。アタシにはそこまでは分からないよ。
さすが、ガードが固いですね。
さて、どうだかね。
◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
……ということで提督、『加賀』の建造をしてみませんか?
はい?
……と、意見具申します。
いきなり工廠に呼び出したかと思えば、いきなりだね。
あっちの明石になにか吹き込まれた?
いいえぇ。まったく。
それならいいけど。
でもタイミング良すぎるよね。
こういうもののタイミングって、時を選びませんからね。
なるほど。なにか思惑がある?
ありません。でも、予感がね、するんすよ。
あっそ。
勘てやつは、そう見くびるモノじゃないですわ。
でもオカルトの領域じゃない。
あははは、まぁそうですねぇ。
………。
なんすか?
そうやって笑ってるトコは、ふつうに『明石』なんだけどなぁって。
ふつうも何も、私は『明石』ですが?
鏡で自分の姿を見るかい?
鏡と写真は魂と寿命が吸い取られちゃって長生きできないんで、止してください(笑う)
………。
なんすか?
成功率はどのくらいを見越しているの?
さぁて。今基地にはいない艦なんで、建造されたら超ラッキー……くらいですかね。
ふむ。……うん、わかった。
君がそこまで言うなら、建造してみましょ。
はい。ありがとうございます。
これで運良く『加賀』が生まれたら、本部に持って行かれることはありませんよ。
……どうかなー。以前はさ、本部からの鶴の一声で、昨日十人近くいた艦娘が今日は一人、とかしょっちゅうだったけどね。
でも今はそんなこと言ってこないですよね。
まね。
……一航戦かぁ……揃えば艦隊運用が楽にはなるかな……資材消費的にはとても辛くなりそうだけど。
戦艦三隻、しかも一隻は大和型二番艦を所有してて、今さらでしょ。それに航空戦力が充実することはいいことです。ここの周囲海域の哨戒を強化できますし、鳳翔や隼鷹、赤城の負担がもっと軽くなりますよ?
なるほど、確かに……で、いつ決行?
いつでも、提督の御意のままに。
……わかった。じゃぁ、いちばん近い大安の日にしよう。
大安て……人のこと言えないじゃないすか(盛大に笑う)
ま、当たるも八卦、当たらぬも八卦ですよ(にこ、と笑う)
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