オリジナル格納庫

――タ…

………。

……目が覚めた？

……カ……ホリ…さん？

まだそんなにボけているわけじゃないのね。

……てかさ、人が寝ているスキに、こーゆーイタズラ書きはやめてくんないかな？

あら、気がついてたの？

油性ペンじゃないでしょーねぇ。

私がそんな親切すると思ってんの？　まだ。

……おい（苦笑しつつ、やや怒り）
ところで、何書いたの？

そりゃー額といえば、相場は決まってるわよ（コロコロと笑う）

……おーい……。

……冗談よ。

……（苦笑）

……で？　私に言うことはないわけ？

おかえり、いつ戻ってきたの？

一昨日（おととい）よ。
誰かさんが近日中にくたばるだろうから、都合がつくなら帰国しろってお節介な恋敵がいるもんでね。

……恋敵って……アレは私の兄嫁ですが？

あちらがその気はなくても、あんたはどうなのかしら？

べっつにー。……それよりも、私がくたばるって何？

何って、その満身創痍はなんなの？
トラック廃車にしたんですって？

………。

目、おかしくなってるんじゃないでしょうね？
ちゃんと見えてんの？

見えてますよー。

そう？

うん。

………。

………。

………。

ところで、タローは元気してんの？
今回は連れて行ったんでしょ？

そろそろあっち暮らしも慣れてていいと思ったから連れて行ったんだけど、もう水を得た魚のようよ。
あの子もこの国は狭いみたい。
あんたと一緒でね。
……でも、あんたみたいにしがらみで身動き取れないようになってもかわいそうだからね。

んなもんないよ。

いーや。あんた自身っていうしがらみに囚われているから。

………。

　腹が立つわ。

………。

結局自分のものにならないあんたにも腹が立つけど、そんなあんたが好きな自分にもっと腹が立つのよ。

……（苦笑）

事故ったって聞いて、すっ飛んで帰国しちゃう自分にもね。

はは、相変わらず恐いけど、そういうところが可愛いよね、カホリさんは。

……ガンタ。

ん？　何？

ばーぁか。

あらら……（苦笑）

何はともあれ、指を折ったんじゃなくて良かったわ。
なんとか突貫でできあがらせてね。

おーい。……鬼ですか？　あんたは。

できあがるまでこっちにいるから、遠慮なくこき使って頂戴。

お。

ただし、タダ働きはしないから。

……ありがと。

あんたが稼ぎ出しなさいよ。
秋ちゃんトコからのギャラじゃ、いらないからね。