へっぽこ・ぽこぽこ書架

二次創作・駄っ作置き場。 ―妄想と暴走のおもむくままに―

『マリみて』二次創作 駄文。

古き去り…

古き去り… 本文

 …新しき来る。
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整理?
あー……うんそう。
いろいろ捨てようかと思って。
思い切っったわねぇ。
まぁね。家の容量にも限界があるしさ。
使ってないのとか、古くなっちゃったのとかね。
捨てないと。新しいモノ、入れらんないし。
……でも、それ。
ん? ……ああ。いいの、いいの。
高1の時に買ってもらったものだから。……もう10年以上経ってる。
よく使ってたから、こんなに毛羽立っちゃって。
……。
……別に、未練があったから持ってたわけじゃないのよ。単にお気に入りだったし、
良いモノだから、ホントに温かったの。だから、よく着てた。
ええ。知ってる。
学生の時、いきなり雪が降り出して、あなたがかけてくれたもの。
そだったっけ?
そうよ。
……あなたが着ると、見栄えも良いし丈もちょうどいいのに、私が着たら
何もかも少しずつ大きかったのに、驚いたわ。
そりゃー。私のほうが背が高いから。
見た目は細くて華奢な感じがするのに。
どうやら骨格が一般的な日本人より少し大きいらしくて……。
あめりか人……ですものね。
……む。どーせ、重いですよーだ。
誰もそんなこと言ってないじゃない。
へへへ……。何はともあれ、お役目ご苦労さん……て感じかな。
私を寒さから守り、蓉子も寒さから守ってくれた。よく働いてくれました。
新しいのを買ってからにすればいいのに。
そう思って、3年くらいズルズルと捨てなかったの。
だから今捨てる。そしたら新しいのを買うでしょ。……ね?
……そうね。
あなたが買わなくても、私が買うかも。
ちょっとだけ、それを期待してる。
ま。
誕生日の先払いってことで。
そういうことは、自分から言うことではないわよ。
そういうことを平気で蓉子に言えるようになった……と思ってくれたら嬉しいんだけどなぁ。
……そう……そうね。
気がついたらね。……あの頃はなにをそんなにトガっていたのかって……呆れるね。
そう思えるくらいには、歳を取ったってことかしら?
んー……たぶん、そう、だね。
あ、そこのゴミ袋取って。
え? ……ああ、はいはい。……どうぞ?
ありがと。
……。
……。
……これでホントにサヨナラ……だね。
ゴミ置き場、今すぐ持って行く?
うん。未練が出ないうちに。
私が行きましょうか?
んにゃ、いい。自分のゴミだし。ちょっと行ってくる。
あ、待って。私も行くわ。
いーよ。一階(した)までだし。敷地内だし。
……行きたいの。
ん?
私も、一緒に。
……うん。
半分持つわ。
……ん。
ありがと。
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