へっぽこ・ぽこぽこ書架

二次創作・駄っ作置き場。 ―妄想と暴走のおもむくままに―

『マリみて』二次創作 駄文。

桜餅 

桜餅 本文

ちょっと出掛けてきた。満開だった。
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いっやー、まだまだ大丈夫と思ったけど、見事に満開だねぇ。
……。
ん? あに?
いいえ。あなたって、こういうところ、よく知ってるわよねぇ。
こういうところ?
んー……女の子がちょっと好きそうな場所とか、お店とか。
え? やだなー。蓉子が好きそうなところをよく知ってるんだよ。
はいはい。
もー。本気にしてないなー。
だって……。
蓉子以外と来てもゼンゼン楽しくない。特にこういうところは。
……。
だいたいさー、この車だって蓉子と遠出したかったから買ったんだもん。
の割には、納品の日にいきなり九州に旅立ったりしたわよね。
それに、実際には小父さまに買っていただいた車じゃない?
いや……その……。
それにー、もともと、ちゃんと自分で買うつもりだったんだよ。だけどさ、ローン組むのに父さんに相談したらさー……
条件付きで即金買いして下さったのよね。
……その通りです。
でもでも。こうして無事自分のものになったワケだし。頑張ったんだよー、ずいぶんとさー。
はいはい。それについては認めます。
ホントにあなたって、すごいわよね。ここって時の集中力とか力(ちから)の発揮具合とか。
へへへへへ。
それが常に五割くらいの状態で続くと、もっとすごいわよ。
……ぬー……。
うふふふ……。
……でもほんと、満開ね。……きれい。
ツーの桜は初めごろだけど、こっちは遅いからね。
眺めも抜群。重畳重畳。
……。
そーいやフツーの桜ってば、終わりごろになると花びらが雪のように散るけど、こっちはそんな感じがしないなぁ。
実際には花びらが散るんでしょうけどね。気がついたら花ごとなくなってる気がするわ。
ソメイヨシノとかほど、気をつけて見てないのね、きっと。
気をつけるって言ってもねぇ。アレはどこにでも生えてるじゃない。
あら、これもあちこち植わってるわよ? あなたが気がついていないだけで。
もちろん、ソメイヨシノほどは、植樹されていないみたいだけどね。
そう?
そうよ。相変わらずね。
何が?
そういうことにはとんと興味がない。
ないワケじゃないけど、桜は桜でしょ?
そうね。ネコはネコだのものね、あなたは。
蓉子さんだけが特別なの。
……。
んー?
……ばか。
にひ。
……。
……ところでさ。ちょっと小腹空かない?
麓に降りて、何か買ってくる?
へへへ……。
……?
……じゃーん!
……!
…………用意周到ね。
もちろん、あったかいお茶もあります! 
……厳密に言えば、温かいお茶も淹れられます。
紙コップにティーバッグってところが趣きナッシングだけどね。
そういうところ、相変わらずねぇ。
褒めて褒めて。
そのくせ一つ抜けてるのよね。
え、なにが?
取り皿、あるいはお箸か爪楊枝は、ないんでしょう?
……あ。
もしくはウエットティッシュ。
……あ"。
……はい。ウエットティッシュ。
わーお。用意周到ですねー。
ドライブっで遠乗りだったから。
ドライブスルーでハンバーガーでも買うかなって思ったの。でもまさか桜餅とはね。
さすが蓉子さん。
茶、淹れて頂戴。
はいはい。了解しましたー。

章間破線

はー……。
美味しい。ほっとする味ね。
春ーって感じよね。
そうね。
ところでさー、いつも思うんだけど。
何?
八重桜って、桜餅に似てる。
ぷ……。
えー? 思わない?
……いいえ、思うわよ?
でしょ。きっとさーアレ見て作ったんだよきっと。
“上方風”は京菓子として作られたらしいということだから、あながち間違ってはいないかもね。
そう思うとさー、ホラ、木いっぱい枝いっぱいに桜餅がぶら下がっているようにも見えてくるねぇ。
……。
私は眺めてるだけでいいけどね。
……なにそれ? 私がきゃーきゃー言いながら、木に実った桜餅を収穫してるトコを想像した?
……え、へへへへ。
……。
まーまー。想像は豊かな方がいいじゃない。
……もしそれが叶うなら、どこかに土地を買って家建てて、庭に八重桜を植えて欲しいわね。
およ。
最後はともかくとして、そんな夢が叶うといいわねぇ……。
……。
……。
……聖、どうしたの?
いや……その……。
ふふふ……。
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