へっぽこ・ぽこぽこ書架

二次創作・駄っ作置き場。 ―妄想と暴走のおもむくままに―

『マリみて』二次創作 駄文。

備えあっても…

備えあっても… 本文

 九州編。
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……よーこさん。
なに?
先に謝っておきます。
だから何?
……迷った。
は?
道に。
……。
あ、そんな目で見ないで。
……で、どうするつもり?
どーもこーも。
あなたね。
すみません。
あなたじゃなかったかしら?
自信満々で「運転は任せとけ!」なんて胸を叩いていた人は。
だから、ごめんなさい。
……地図は?
はぁ。
地図は載せてないの?
や。
ないのね?
いや、あるのはあるんだけど。
だったら、さっさと出しなさいよ。
いーやー。
どこ?
何が?
地図。
あんま、出しても意味ないと思うよー。
意味がないかどうかは、見てみないと分からないじゃない。
いや、意味ないし。
どこに置いているのよ?
よーこさんの座席の、背中ポケット。
……ああ、いい。私が取るよ。
今いるだいたいの場所が分かれば、なんとかな……
はい。これ。
……。
ほら。怒った。
……20万分の1地図じゃぁね。
だから意味ないよって言ったのに。
こんな尺度の大きなの買うなんて。
だって、九州全域の大まかな地図がほしかったんだもん。
もっと詳細な、小さな道の分かるのの方がいいんじゃないの?
そういうのって、厚くて運転中に読めないもん。
信号待ちでページめくってるうちに青になっちゃうし。
……。
だからといって、行った先々で地図買ってたら、車の中が地図だらけになっちゃう。
それよりも大まかなので適当に行って、適当に探す方が、いろんなモノを見られて面白いし。
……携帯で地図検索するわ。
住所知らない。
ランドマークもないの?
山の中なのに?
……。
ごめんなさい。
わかった。
お? どこにメールすんの?
西勝寺よ。坊守さんにね。
ああ、坊守さんのご実家の近くって話だったね。
地元の方に聞くのが一番早いでしょうしね。
「元」だけどね。
茶化さないの。
はい。ごめんなさい。
それにしても良い天気ね。
九州的な青空だよね。色が濃くて。
そうね。……あ。
お。
……。
なんて?
いえ。……微に入り細に入った返事がきたわ。
へー……どれどれ……
『インターを降りてまず右折。まっすぐ走ってドンツキに信号。そこを左折。そこからまっすぐ走って、2つめの信号を越えた先に高速の高架があるのでそれをくぐって、さらにずーっとまっすぐに走った右前方にガソリンスタンドが見えます。その角を右。二車線になっているから右車線をキープ(そこ混むから早めにキープね)。またもやドンツキになるので右。そこから気が長くなるほど走ったら線路があるので、それを超えて4つめの信号を越えてすぐの高架をくぐると左に測道があります。そこに入ってください。高架横を高架に添って50mくらい先がU字型に曲がっているので無理せず曲がること。曲がった先には住宅地があるので1つめの角を曲がってさらにまっすぐ走るといきなり』……だー! わからん!!
『いきなり田んぼしかない場所になります。くねくね曲がった道を道なりにまっすぐ行くと、農作業小屋が左手に見えます。それを越えたらいきなり左に細い道があるので、そこに入ること。入り損ねたらその先はUターンしにくいですよ。細い道に入ったらあとはまっすぐです。山道には気をつけてくださいね』
……ね? 微に入り細に入ってたでしょ?
入りすぎだよ。さすが地元民。
てことは、最初のガソリンスタンドの角を曲がり損ねてるわね。
30分ほど戻らなきゃ。
頑張って頂戴。運転手さん。
へいへぇい。
「はい」でしょ?
「はいはい」
「はい」は1回でよろしい。
はーい。
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